東京都の鉄道を完乗した私の、おすすめ路線

都道府県単位だって、立派な「完乗」

完乗とは、鉄道路線を起点から終点まで乗り通すことをいう。

日本全国の鉄道に乗ることを完乗と考える人が多いが、より小さい単位で完乗と捉えることも可能だ。

私は、馴染みのある都道府県の鉄道に焦点を絞って、少しずつ完乗するようにしている。

2023年秋には、生まれ育った神奈川県の鉄道を完乗した。

そして2024年の冬は、東京都の鉄道完乗に成功した。

20代後半から一人暮らしを始めたのを機に、約5年かけて少しずつ乗っていき、完乗に至った。

東京都の主な路線と特徴

以下が主な路線だ。

・JR…JR東日本(山手線、中央線、京浜東北線、五日市線、青梅線、東北新幹線など)、JR東海(東海道新幹線)
・大手私鉄…東京メトロ、東武、西武、東急、京成、京王、京急、小田急
・その他私鉄…都営交通、東京モノレール、東京りんかい高速鉄道、ゆりかもめ、多摩都市モノレール

東京都の路線図は、初めて見た時に「何だこれは!絡まったコードか!?」と驚かざるを得ない。

しかし実際には、乗るのにそこまで大変ではない。

大概の路線は本数が多いため、時間を気にせず乗りやすいからだ。

また、私鉄の多くが1日乗車券を販売しているため、安く乗ることも可能だ。

「今日は東京モノレールとりんかい線、明日は東京メトロ、来週は京王」という風に、大まかに計画して乗るのに向いている。

ただし、平日朝はラッシュが酷いので、乗り鉄の時間に充てないよう注意が必要だ。

目的別おすすめ路線

ここからは、東京都の鉄道路線で是非乗って欲しい路線を紹介する。

これぞ大都会!を楽しみたい
・JR山手線
・東京モノレール
・ゆりかもめ

東京のコンクリートジャングルや港には、誰もが目を奪われる。

山手線は、東京駅エリアや副都心エリアなど、高層ビルが建ち並ぶ中を走っていく。日々新たな摩天楼が生まれていくので、飽きることはない。

東京モノレールは、ビル街から工場街を抜け、国際空港へと向かうモノレールだ。工場の建物や港を往来する船、そして飛行機の離着陸など、車窓から目が離せない。

ゆりかもめは、レインボーブリッジやフジテレビ、東京ビッグサイトを経由する、新交通システムだ。特徴的な建造物が港沿いに並ぶ様子は、近未来都市のようだ。

下町情緒を味わいたい
・都電荒川線
・京成金町線
・東急世田谷線

東京の魅力で忘れてはならないのが、下町の風情だ。

都電荒川線は、沿線にレトロさを残したエリアが多い。特に昭和の車両が展示された荒川車庫前や古い商店が残る三ノ輪橋は必見だ。

京成金町線は、柴又などの下町エリアを走る。短い単線路線なので、より風情を味わえる。

東急世田谷線は、東急で唯一の路面電車だ。沿線の建物は新しいが、気さくで庶民的な雰囲気が漂う。

高いところから景色を眺めたい
・日暮里・舎人ライナー
・多摩都市モノレール

高架から町を眺めると、スリルと清々しさを味わえる。

日暮里・舎人ライナーは、荒川区から足立区までを結ぶ新交通システムだ。特に足立小台の周辺からは、大きな川と広がる町並みを一望できる。

多摩都市モノレールは、東大和市から立川を経由して多摩市へと伸びるモノレールだ。住宅街、駅前、キャンパスなどを、飛んでいるかのような高さで眺められる。

地下鉄も乗りたい
・東京メトロ銀座線、丸ノ内線
・都営地下鉄三田線

23区のほとんどは、地下鉄が占めている。

銀座線や丸ノ内線は、地下鉄の中でも歴史ある路線だ。華やかな街が多く結ばれているので、どこで降りても楽しめる。

一方で、三田線は地下鉄らしくない所が魅力的だ。特に終点の西高島平は、「最果ての地」という言葉が似合う。

のどかな風景やのんびりした列車に癒されたい
・JR五日市線
・西武多摩川線

東京都の西側には、大都会の電車とは違った魅力を持つ路線がある。

五日市線では、遠くまで広がる畑や遥か向こうの山並みを見ることができる。緑豊かで落ち着いた車窓が流れていく。

西武多摩川線は、半世紀以上前から走る車両と、単線ゆえのゆったりした走りが特長だ。中央線沿いという好アクセスながら、リラックスできるローカル線だ。

まとめ

大人になって暮らし始めた東京都の鉄道を、完乗した。

「全部乗った」達成感がある一方、「複雑そうに見えて簡単だったな」という意外さもある。

路線図の複雑さに惑わされず、1日乗車券を片手に狭い範囲で乗ってみることをお勧めする。