八王子は、東京都の西側にある大きな駅だ。中央線を始め、多くの路線が乗り入れる。
名前の通り八王子と高崎を結ぶのが、八高線だ。実際には、高崎行きの列車は一本もない。
八王子発の列車の多くは、高麗川(こまがわ)から川越線に入り、川越へ向かう。
今回は、八王子から高麗川まで乗ってみた。
八高線は、八王子から高麗川を経由して、高崎まで北上する路線だ。
八王子〜高麗川は八高南線、高麗川〜高崎は八高北線と呼ばれている。
八高南線の所要時間は、約50分。
八王子〜高麗川は電化区間、高麗川〜高崎は非電化区間となっている。それまで全線非電化だったのが、1996年に南側のみ電化された。
今では八高南線は電車が走り、八高北線は気動車が走っている。
車両の仕組みが違うため、乗り入れができない。
八高南線では、ステンレスのボディにオレンジ色と黄緑色の帯を巻いた車両(E231系)が走っている。
半自動ドアを採用している。
八王子を出て、郊外らしい景色の中を走っていく。
小さな川・浅川を渡る。
住宅が並ぶ地域もあれば、企業のビルが建つ地域もある。
多摩川を渡ると、住宅の数が増え、商業施設も多くなる。
拝島に着く。反対方向の列車を待つため、しばらく停車する。単線ならではの光景だ。
拝島で多くの人が乗ってきたので、前面展望が難しくなった。右手の窓を撮影することにした。
東福生は拝島と違い、小さな駅だ。
発車すると、キッチンカーや小屋のある、広い敷地が見える。アメリカ料理のレストランだ。
さらに進むと、大きな飛行機や英語の看板を付けた建物が、窓に映る。
横田基地だ。長い一駅間のほとんどを、アメリカが占めている。
箱根ヶ崎に近づく頃には、広大な飛行場が姿を現す。町並みと山が、遥か彼方に見える。
圧倒されながら、小さな駅・箱根ヶ崎に着く。
箱根ヶ崎から北は、畑が多い。
長閑だと思っていると、急に工場が集まる地帯に入った。錆びたタンクや武骨な管が、日に照らされている。
工場街を抜けると、埼玉県に入る。
再び畑の多い地帯になる。先ほどまでと違い、茶畑だ。
こんもりした緑色の植物が、ずらっと並ぶ。
茶どころを眺めていると、金子に着く。
茶畑のエリアを過ぎると、住宅が密集する地域に入る。大きな一軒家が多い。
住宅街を抜けると、森の中へと入っていく。
木々の間から、木漏れ日が射し込む。やがて、木の数が徐々に減る。
森の向こうから、大学の建物が姿を見せる。駿河台大学だ。木々がキャンパスを囲んでいる。
入間川を渡り、宅地に入る。
西武線と乗り換えられる、東飯能に着く。
東飯能の北は、田園地帯となっている。
季節柄、稲刈りを終えて乾いた水田も見られる。
高麗川に着く。
高崎方面の線路をよく見ると、架線が途絶えている。電化と非電化の境目なんだと、改めて実感する。
気動車がやってくるのではと、ドキドキしながら待っていた。今回は来なかった。
無理もない。八高南線が1時間に大体2本なのに対し、八高北線はその半分の1本しかない。
八高北線は、また別の日に乗るつもりだ。
JR八高線(八高南線)は、東京郊外から埼玉県西部の、次々と移り行く景色を楽しめる路線だ。
2023年11月乗車