平成初期の気動車で、田園を北上する JR八高線(高麗川〜高崎)

八高線は高麗川(こまがわ)の南と北で別路線

JR八高線は、東京の八王子から群馬の高崎までを結ぶ路線だ。

一本で乗り通すことはできず、高麗川で分断されている。

1996年に南側のみ電化されたのが、乗り通せない原因だ。

非電化区間である高麗川〜高崎は、八高北線と呼ばれている。

電化された八王子〜高麗川(八高南線)は約50分であるのに対し、八高北線は約1時間半かかる。

数年前に八高南線に乗ったが、高麗川より北側は本数が少なく長距離であるため、なかなか乗れずにいた。

時間ができたため、満を持して乗ってみた。

引退寸前の平成初期の気動車に乗る

今回は、八王子を経由しなかった。

代わりに、西武池袋線で飯能まで乗り、東飯能まで歩いてJR八高線に乗り換え、一駅先の高麗川まで向かう。

高麗川では、八王子行きの新しい電車と、高崎行きのレトロな気動車が停車していた。

高崎行きの車両は、キハ110系という。

1993年に登場した。

黄緑色の貫通扉と側面の装飾が特徴的だ。

2両編成で、扉は2か所しかない。

座席はボックス席なので、旅情を掻き立てる。

なお、2025年12月にHBーE220系という新型が導入された影響で、2026年3月にキハ110系は八高線から引退する。

ギリギリで間に合って乗れた、という感慨を受けた。

メトロの車両が停まっている小川町

列車は八王子方面から来た人々を乗せ、発車する。

力強いエンジン音を轟かせ、田んぼと畑の広がる地域を走っていく。

毛呂、越生(おごせ)と、駅が近づくと建物が多くなる。

駅から離れると、田園と低い山々の景色になる。

左手に、東武東上線の線路が合流してきた。

架線があることから、電化されているのが分かる。

小川町に到着すると、意外な光景を見つけた。

東京メトロ副都心線の車両だ。

2両の気動車と長い地下鉄の電車が並ぶ光景は、非常に珍しい。

ここから池袋、新宿三丁目、渋谷を経由して、横浜方面に向かうと思うと、気が遠くなりそうだ。

電車の隣を走る竹沢、それなりに大きな駅・寄居

小川町を出てから、しばらく東武東上線と並走する。

単線同士だが、上に架線があるかないかは大きな違いだ。

東武の線路は少しずつ遠ざかる。

竹沢付近で、大きくカーブを描いた東武の高架を潜る。

列車は東武と離れ、田んぼと山並みの地帯を走る。

家屋が少なく、遠くまで広がる自然を眺められる。

田園地帯から、建物が並ぶエリアに入っていく。

大きなロータリーのある、寄居に停車する。

東武東上線と秩父鉄道に乗り換えられる。

駅を出ると、すぐに田園と山々の光景になる。

駅付近の山には、「名水と歴史のよりい」と、地域をアピールする看板が掲げられている。

駅舎が個性的な用土(ようど)と松久

この沿線では時折、変わったデザインの駅舎を見かける。

用土は、待合スペースが円筒形でガラス張りだ。

緑色の歪な形状の屋根が目を惹く。

その隣の松久は、大きな三角屋根があり、山小屋のようだ。

赤い屋根に白色と黄色の壁が、メルヘンチックな雰囲気を醸し出す。

現代的でスタイリッシュな駅舎とヨーロッパを思わせる愛らしい駅舎が隣同士なのも、この路線の魅力といえる。

県境の神流川(かんながわ)を越えて群馬藤岡

列車は児玉に着き、10分停車する。

駅前の通りが整備されていて、小洒落た雰囲気だ。

さらに丹荘(たんしょう)を過ぎると、列車は神流川を渡る。

豊かな流れだ。

土手を挟んで、もう一本滔々と流れる部分がある。

神流川を越えると、群馬県に入る。

埼玉を縦断して北関東に入った事実に、「遠くへ来たなぁ」と驚きを感じた。

新幹線の高架を潜って北藤岡

群馬県に入ると、住宅が増えてくる。

群馬藤岡は、乗り換え駅でないが乗降客が多い。

北藤岡に近づくと、開けた田園地帯を新幹線の高架が貫く光景が見られる。

高架は遠くまで続いているのが見える。

なかなかの迫力だ。

工場などが並ぶ都会的な高崎

倉賀野からは、高崎線と並走する。

住宅だけでなく、ビルも増えてきた。

左手に、神殿のような柱の建物が見えてくる。

何かと思ったら、「ガトーフェスタハラダ」の工場だ。

さすが群馬の銘菓だ。

他にも、有名な企業の工場や本社が沿線に並ぶ。

高崎に到着して、乗ってきたキハ110系を眺める。

留置線にブルートレインが停まっているため、尚更30年前の光景を見ているかのようだ。

パワフルなディーゼルエンジンは、外からもよく聞こえる。

高崎駅は、群馬県で最も利用者が多い駅だ。

モントレ、オーパといった駅ビルや、アリーナが聳え建つ。

県庁のある前橋駅よりも、遥かに栄えている。

まとめ

JR八高線(八高北線)は、気動車で田園地帯を走り、埼玉と群馬を繋ぐ、小旅行気分が味わえる路線だ。

私鉄と乗り換えられる駅(小川町、寄居など)もあるので、また別の機会に訪れたい。

2026年2月乗車

八高南線についてはこちら