大宮駅は、埼玉県で最も乗降客数が多く、東京駅に次いで路線数が多い駅として知られている。

駅の鉄道博物館の案内と共に、ニューシャトルという路線の案内も掲示されている。ニューシャトルの改札に入ると、大きくカーブして車両が入ってきた。
ニューシャトルは、大宮と北足立郡伊奈町の内宿を結ぶ路線だ。
正式名称は、「埼玉新都市交通伊奈線」という。1983年に開通した。

東北新幹線の建設に反対した沿線民に対し、見返りの新路線として建設された。この経緯があり、全線新幹線の高架に沿って走っている。
大宮から内宿までの所要時間は、約25分。
ニューシャトルは、新交通システムながら、開通当時から変わらないワンマン有人運転で運行されている。

6両編成で1両が短く、全体的にコンパクトな印象だ。先頭に六角形の枠があり、側面には枠と同色のラインが通っている。

大宮は始発の駅だが、列車は折り返すことはない。出発すると、やって来た方向とは反対側に伸びるループ線を走っていく。

始発の駅がループ線の途中という、珍しい構造となっている。高架の内側には、大宮情報文化センターというビルが建っている。

列車はビルを離れ、新幹線の高架と並走する。次の駅は、鉄道博物館だ。

半分以上の乗客は、ここで下車する。反対方面のホー厶は、新幹線の高架を越えた彼方にある。
改札を出て、博物館入口までの通路を歩いてみる。

床には、東北新幹線開通当時の時刻表が彫られている。やまびことあおばの2種類が、大宮〜盛岡を走っていたのが分かる。

一画には、国鉄時代の修学旅行の車両が飾られている。「なかよし」のヘッドマークが、ほのぼのした雰囲気を醸し出す。
今回は時間の都合で駄目だったが、また別の機会に鉄博を訪れたくなった。

列車は上り坂を走っていく。新幹線と同じ高さになる。北陸や上越、東北に向かう新幹線が、右手を駈け抜けていく。加茂宮までは、ビルやマンションが多い。

そこを過ぎると、工場の多い地帯に入っていく。吉野原では、大正製薬のとても広い工場などの敷地を見ることができる。

また、鉄骨剥き出しの生コンの工場もある。

原市の辺りまで来ると、住宅街に変わる。ちなみに、お笑いコンビ・ハライチはこの辺りが出身地だ。
列車は、右手に新幹線の線路、左手に住宅街の景色を映しながら走っていく。

沼南(しょうなん)を過ぎてしばらくすると、新幹線の高架が北陸・上越方面と、東北方面に分岐する。

しばらくしてニューシャトルも、北陸・上越新幹線の高架下へと下っていく。

複雑に線路が交差しているのが分かる。

高架下に造られた駅・丸山に到着する。ずっと反対方面のホー厶は彼方にあったが、ここに来て一体となった。大宮に向かう列車が、島式ホームの反対側にやって来た。なお、ホーム下には車両基地もある。

再び、列車は勾配を上り、新幹線と並走していく。

ここから先は単線区間となり、駅で上下線を交換する構造になっていく。列車交換する新交通システムは、全国的にも珍しい。新幹線の高架という、限られた用地ゆえの構造といえる。
列車は、駅で反対方面の列車を見送りつつ、走っていく。

志久(しく)ではオレンジ色の車両、羽貫(はぬき)ではピンク色の車両と、列車交換を行った。

終点の内宿は、簡易改札機のある小さな駅だ。

周りは、大きな一軒家が並ぶ住宅街に囲まれている。時折、北陸・上越方面の新幹線が高速で通過していく。

この駅から徒歩約15分の町制施行記念公園には、バラ園がある。400種類ほどが育成され、ピークの季節には有料で観賞できる。

今回訪れた時期はバラのピークだったので、入園してみた。丹精込めて育てられたバラは、多種多様で見応えがあった。また、都内の同様のスポットほど混雑していないので、自分のペースで眺めることができた。

ニューシャトルは、大宮と鉄博をつなぎ新幹線と並走する、珍しい構造の路線だ。

鉄道博物館のアクセス線のイメージがあるが、その先も景色、構造、そして隠れた名所など、注目すべき点が多いことが分かった。
2026年5月乗車