長浜市は、滋賀県北東部の町だ。
伝統的な家屋をお洒落にした、黒壁スクエアが有名だ。
市の中心駅・長浜には、『長浜鉄道スクエア』という鉄道博物館がある。
現存最古の駅舎など、見どころが多くある。
入場料は、大人500円だ。
アクセスは良好で、長浜駅から徒歩5分も要しないほどの近さだ。
駅から見えているので、迷うこともない。
東京方面からは、新幹線で米原まで行き、北陸本線の敦賀方面に乗ることで長浜に行ける。
この博物館の一番の魅力は、旧長浜駅舎だ。
1882年に完成し、今日に至る。
東海道線の開業当初、大津〜長浜は連絡船で繋がれていた。
完成してから約20年、長浜駅は船と鉄道を結ぶ役割を果たしていた。
旧長浜駅舎は、その時代を反映した建物だ。
外観は、瓦葺きの屋根と煉瓦で補強された窓といった、和洋両方の特色が混ざっている。
内部にはチケット窓口やミュージアムショップのコーナー以外に、当時を再現した部屋がある。
特に、休憩室の窓は当時の特徴である、十字の枠だ。
映り込む木々も相まって、明治の頃はこんな景色だったのかなと思わせる。
駅を出るとすぐ見えるのが、蒸気機関車D51と電気機関車ED70だ。
蒸気機関車は威厳ある佇まい、電気機関車は力強く鮮やかな色合いだ。
この博物館では、電気機関車の躍進に重点が置かれている。
トンネルや勾配の多い北陸線では、蒸気機関車では煙などの問題があり、電化で改善した歴史がある。
なお、車両は上からも眺めることができる。
個人的には、電気機関車のパンタグラフをハイアングルで見るのが新鮮に感じた。
長浜鉄道文化館は、鉄道の資料館だ。
大津〜長浜の連絡船の変遷、大阪万博の特別列車に関連した資料などが展示されている。
小さいながら、鉄道ジオラマもある。
特急しらさぎや「令和堂」(平和堂のもじり)など、滋賀県らしさが漂う。
北陸線電化記念館の一角には、デッキがある。
高さは2階に相当し、線路側に張り出している。
様々な北陸本線を走る車両を眺められる。
最も多いのは、223系だ。
琵琶湖線・京都線・神戸線そして山陽本線に乗り入れる。
また、敦賀方面へ向かう、特急しらさぎも時折見ることができる。
旅客列車の合間を縫って、貨物列車も頻繁に走っている。
夏の間は、観光列車はなあかりが走ることもある。
茶系の地色に金色の細やかな模様が描かれた、気動車の車両だ。
この展望デッキのためだけに、入館する人もいると思われる。
長浜鉄道スクエアは、長浜が交通の要所として栄えた時代を知ることができ、様々な目的の列車の行き来も見られる博物館だ。
2025年7月探訪