
神奈川県西部の町・小田原。
ここを起点とする私鉄は2本ある。

1本は、箱根温泉にスイッチバックしながら向かう、箱根登山鉄道だ。
様々なメディアに取り上げられている。

もう1本は、伊豆箱根鉄道大雄山線だ。
こちらは箱根登山鉄道に比べると、あまり知られていない。

今回は、大雄山線に乗ってみた。
伊豆箱根鉄道は、大雄山線(小田原~大雄山)と駿豆線(三島~修善寺)からなる私鉄だ。

今回乗った大雄山線は、大雄山最乗寺の参詣客を運ぶために建設された。
全12駅で、所要時間は約20分。

車両は、全て同じ系統(5000系)だ。ステンレスに帯を巻いた車両が多い。
帯の色は、主に青色が使われている。

緑色や黄色の帯を巻いた車両も走っている。

中には、天狗車両と呼ばれる朱色一色の車両もある。
ホームは、JRのホームと並行に位置している。

発車すると、電車は単線の線路を東に進む。

賑やかな町の小さな駅・緑町に停車する。
緑町を出ると、電車は住宅街の間をカーブして進む。

目指す方向が、北へと変わる。
JR東海道線と東海道新幹線の高架を潜って、宅地を走っていく。

青い山脈が、線路の向こうに見える。
井細田に到着する。

次の駅・五百羅漢は、迫力満点の名前に反して、小さな駅だ。

列車交換を行い、上り勾配を経て穴部に着く。

その次の駅・飯田岡は、自然公園「小田原フラワーガーデン」「おだわら諏訪の原公園」の最寄り駅だ。

「フラワーガーデン」では、蓮やバラ、梅などの花が楽しめる。

小川や池もあり、癒しを感じながら歩き回れる。

「諏訪の原公園」では、開成町、山北町、南足柄市の町並みを一望できる。
どちらも、駅からは徒歩20分で行ける。(ただし、険しい上り坂があるので注意。)

相模沼田で、2度目の列車交換を行う。

岩原と塚原は、目と鼻の先の距離だ。

細い川・狩川を渡ると、水田が広がる地域に入る。

少しずつ坂を上っているのが分かる。

和田河原に到着する。
3度目の列車交換を行い、山並みに向かって進んでいく。

特に、頂がポコッと突き出た山が目に付く。
次の駅は富士フイルム前だ。
車内アナウンスでは「フィルム」ではなく、「フイルム」と発音する。

すぐに終点・大雄山に到着する。

大雄山の駅舎は、三角屋根の昔ながらの駅舎だ。
向かいには、駅ビル「大雄山ヴェルミ2」が建つ。食料品と日用品を多く揃えている。

後ろに大きな山々がそびえる地域なのを、忘れてしまいそうだ。

駅前の通り(小田原山北線)は、栄えている。
最乗寺などの観光地へ向かうバスが、走っていく。

山に囲まれた観光地でもあり、店が並ぶ生活感のある町でもある。
そんな特徴が分かった。

伊豆箱根鉄道大雄山線は、神奈川県西部の町と自然が楽しめる路線だ。
2023年10月乗車