横浜駅とみなとみらいエリアに囲まれた新高島には、京急ミュージアムがある。
京急の車両やジオラマが展示された博物館だ。
見どころは、静態保存されたデハ236と、京急沿線を再現したジオラマだ。
運転体験などは事前予約制かつ有料だが、入場料は無料だ。
また、以前は時間ごとの入れ替え制だったが、2025年1月から入場制限がなくなった。
京急好きにとっては、行きたい時にふらっと行けるスポットといえる。
横浜駅からは、徒歩7分で着く。
みなとみらい線の新高島からは、より早く行ける。
博物館の付近にはケイキューブという、車両をモチーフにした可愛らしいオブジェが並ぶ。
施設の3分の1ほどを、かつて京急を走っていた車両とホームが占めている。
この車両は、デハ236という。
昭和初期に登場し、約半世紀に渡って活躍した。
今日の京急に通じる、紅色をベースに白いラインが入った塗装が施されている。
3枚の窓、先頭上部に付いたライトが、時代を感じさせる。
片開きのドアは、開閉ボタンで操作できる。
車内の一部には、当時の座席が残されている。
また、天井には扇風機も付いていて、エアコンのない時代を感じられる。
その他、1930年代から2000年代の広告やパンフレットなどの資料も飾られている。
車両とつながったホームは、1970年代を再現したものだ。
掲示板には、北品川~青物横丁間の高架化、三浦海岸~成田の直通特急などの広告が貼られている。
車両と同じ色のゴミ箱もあり、みかんの皮や空き缶、新聞(ロッキード事件の見出しがある)が捨てられている。
車両が走っていた当時を知らなくても、懐かしさを感じられるコーナーだ。
フロアの真ん中には、京急沿線を再現した鉄道模型がある。
品川から、蒲田、川崎、横浜、上大岡、横須賀、三浦までが再現されている。
品川から見ていく。
八ッ山跨線橋の下を、寝台特急サンライズが潜り抜けている。
JRのホームには、よく見ると113系スカ色という、昔横須賀線を走っていた車両が停まっている。
さらによく見ると、山手線は1世代前の車両だ。
20年ほど前の光景と思われる。
蒲田エリアでは、解体中の鉄工所を見つけた。
「不明生物災害」に伴う解体らしい。
不明生物って、何だろう。
川崎大師駅は、踏切や町並みまで再現されている。現実に近い光景だ。
一方その先の小島新田は、ホームから工場が見えるかのように構成されている。現実もそうだったらいいなと思わせる光景だ。
横浜は、そごうビルやスカイビル、またミュージアムのある京急グループ本社ビルが再現されている。
京急のビルが他のビルより目立っているのは、ご愛敬だ。
上大岡は、京急百貨店がリアルだ。
金沢八景エリアには、シーサイドラインも走っている。
よく知っている地域なので、見入ってしまった。
横須賀はモアーズが再現され、三浦エリアはリゾート地や田園が造形されている。
金沢八景と横須賀の間には、鎌倉の大仏も再現されている。
「そうそう、横浜はこういうビルあるなぁ」と共感できる箇所もあれば、「ぷぷっ、何だこれは」と笑いを誘う箇所もあり、2周もしてしまった。
京急ミュージアムは、京急の車両やジオラマを気軽に楽しめる博物館だ。
30分あれば、充分に見て回れる。
京急ファンには、横浜に来た際に是非立ち寄って欲しい。
2025年6月探訪